高校生になって二度目の四月が、何日か過ぎたころ。

私、早坂優依(ハヤサカ ユイ)は一年生のころと変わりなく、楽しい日々を過ごしていた。

友だちは多くはないけどとても仲良くしてもらっているし、今年も同じクラスになれた。

クラス全体の雰囲気も和気あいあいとしていて、今のところ教室での居心地も良い。


いろいろなタイプの人が集まっているクラスだけど、その中でも私はかなり地味な部類。

肩より少し下まで伸ばしたストレートの髪はいつも低めの位置で一つに結んでいる。

化粧っ気もないので、地味に拍車がかかっている。

私と仲良くしてくれている友だちも、学校にはお化粧はしてきていないし、制服を着崩したりもしていない。

友だちたちは素材の良さが光ってみんな素朴な可愛らしさがあるけど、私は別。

これといった特徴のない容姿で、クラスの中にひっそりと溶け込んでいる。


性格も積極的ではないし、何より会話力が乏しいので、仲の良い友だち以外の人に自分から話しかけることはほとんどない。

話し慣れていない人だと本当に緊張してしまって・・・。

でも人と話すことが嫌いなわけではないので、話しかけられれば頑張って話すけど。

そもそも私のような地味な女子には、仲の良い友だち以外話しにくる人はほぼいないんだけど。

そんな感じで取り柄が見当たらない私だけど、学校生活は楽しめているからあまり気にしていない。