「夏海くんがいいの」


私が自分のダメなところに悩んで気持ちを吐き出したとき、夏海くんは『ダメなところも全部含めて好き』だって言ってくれた。

今ならあのときの夏海くんの気持ちがわかる。

今わたしも同じ気持ちだから。

どんな夏海くんでもいい、ありのままでいてほしい。


「夏海くんのこと、全部大好きだよ」


私の言葉に目を見開いた夏海くんは真っ赤に染まった顔を困惑させた。

少し恥ずかしそうにも見えるその表情がかわいくて、私の胸がきゅんと鳴る。


「はぁー・・・嬉しすぎてやべー・・・」


夏海くんはそう言いながら身体の力が抜けたようにフラフラと近くの机の端に腰をかけた。

ほてった顔を冷ますように手の甲を頬に添えながら、ゆっくりと私の方に顔を向ける。

目線の高さが近くて、目が合った途端に心臓がドクドクと早鐘を打ち始めた。

ついさっきまでは想いを伝えることに必死だったけど、夏海くんの甘い瞳にとらえられると急に恥ずかしさがこみ上げてきて・・・今度は私がゆでタコになってしまった。