どんな君も、全部好きだから。

私を見下ろす顔に何かを決意したような強い意志を感じて、私の胸がドクンと鳴る。


夏海くんはゆっくり口を開いて、


「優依、好きだよ。ぜったい守るから俺の彼女になって」


熱を帯びた真っ直ぐな眼差しで、私に二度目の告白をした。


まさか今日言われるとは思わなかった。

頭が真っ白で、どう答えたらいいのかわからない。

断らなきゃって、もう離れようって、そう思っていたから。


私はいまだに夏海くんのことを好きだと胸を張って言うこともできず、堂々と彼女になる自信もなくて。

夏海くんが私を守ることで、彼の笑顔が減っていく未来しか今は想像できなくて。


こんな気持ちで夏海くんと付き合うことを・・・・・・どうしても選べない。


私は震える手をぎゅっと握りしめて、


「・・・ごめんなさい。やっぱり、夏海くんとお付き合い、できないです・・・」


深々と頭を下げてそう伝えた。

気を抜いたら涙が溢れそうだから、痛いほどに唇をきゅっと噛みしめた。

夏海くんが今どんな顔をしているのか気になって仕方がなかったけど、顔をあげることはできなかった。