「あー、そう。落としました。・・・図書委員の人?」
夏海くんは私の付けていた委員の腕章を見て質問してきた。
「はい」
「・・・本バラまいてすんません」
「こちらこそすみません、棚の中ぎゅうぎゅうに並んでたんじゃないですか?」
上級生の委員の中に本をぎゅうぎゅうにして並べる人がいて、私たち下級生の委員は少し困っていた。
だから取ろうとしたときに他の本も一緒に出てきてしまって落ちたんだろうな、と想像するのは難しくなかった。
「片付けますね」
抱えていた本をいったん近くの机に置き、床に散らばった本を集めるためにしゃがむ。
夏海くんは、最初は近くに立ったままだったけど、すぐに同じようにスッとしゃがんで本を集めるのを手伝い始めてくれた。
「ありがとうございます」
「や、落としたの俺だし」
下を向いているので夏海くんの表情は見えなかったけど、色の少し薄い柔らかな前髪の隙間からたまに見えるまつ毛が長くて綺麗で、鼻筋も通っていて。
こんなにかっこよければ、そりゃみんなが騒ぐのもしょうがないよね、とすごく納得してしまった。
二人で本を集めて、今度は棚がぎゅうぎゅうにならないように並べなおした。
「手伝ってくれてありがとうございました」
棚が私には少し高い位置だったので、手伝ってもらえたのはすごく助かった。
「いや・・・だから、それはこっちのセリフっつーか・・・」
夏海くんの反応は、なぜかモゴモゴと歯切れの悪い感じだった。
夏海くんは私の付けていた委員の腕章を見て質問してきた。
「はい」
「・・・本バラまいてすんません」
「こちらこそすみません、棚の中ぎゅうぎゅうに並んでたんじゃないですか?」
上級生の委員の中に本をぎゅうぎゅうにして並べる人がいて、私たち下級生の委員は少し困っていた。
だから取ろうとしたときに他の本も一緒に出てきてしまって落ちたんだろうな、と想像するのは難しくなかった。
「片付けますね」
抱えていた本をいったん近くの机に置き、床に散らばった本を集めるためにしゃがむ。
夏海くんは、最初は近くに立ったままだったけど、すぐに同じようにスッとしゃがんで本を集めるのを手伝い始めてくれた。
「ありがとうございます」
「や、落としたの俺だし」
下を向いているので夏海くんの表情は見えなかったけど、色の少し薄い柔らかな前髪の隙間からたまに見えるまつ毛が長くて綺麗で、鼻筋も通っていて。
こんなにかっこよければ、そりゃみんなが騒ぐのもしょうがないよね、とすごく納得してしまった。
二人で本を集めて、今度は棚がぎゅうぎゅうにならないように並べなおした。
「手伝ってくれてありがとうございました」
棚が私には少し高い位置だったので、手伝ってもらえたのはすごく助かった。
「いや・・・だから、それはこっちのセリフっつーか・・・」
夏海くんの反応は、なぜかモゴモゴと歯切れの悪い感じだった。
