二時間目が終わった休み時間。

学級委員の青山くんと岡井さんの進行でくじ引きでの席替えが実施された結果、私は窓側から二列目、前から三番目の席に決まった。

左隣には西村くんというクラスのムードメーカーの男の子、後ろの席には神崎さん。

そして西村くんの後ろ、私の左斜め後ろの席はなんと夏海くんだった。

振り返れば夏海くんと神崎さんがいるなんて、めちゃくちゃすごい席なのでは・・・。


「早坂さん、前後よろしくね~。てゆーか髪おろしてるの初めて見た。良いね!」


呼ばれて振り返ると、神崎さんは可愛い笑顔で挨拶してくれた上に、私の髪型をほめてくれた。

な、なんて気さくな人なんだろう。こんなに美人で性格も良いなんて、神は何物も与えすぎでは・・・?


「あ、ありがとう。こちらこそよろしくお願いします」


私はタジタジしながらも、声が小さくならないように気を付けて応えた。


「あー、早坂さんか!いつもと全然違うからわかんなかった!」


神崎さんと私の会話を聞いていた西村くんが私の顔をマジマジと見てくる。


「はー?クラスメイトの顔わかんないってどういうことよ?」


神崎さんがすかさず西村くんに呆れた顔で突っ込みを入れる。


「女子の髪型変わると誰かわかんなくなっちゃってさぁ」


西村くんが『人の顔覚えらんなすぎてまじウケる』と自分で自分に笑っている様子が面白くて、私も自然と笑顔になっていた。