「ひかる、受験票持った?」

「持った」

「身分証明書、いれた?」

「いれた」

「時計は?お弁当は?筆記用具は?それから……」

相変わらず母さんは心配性だな……。

「母さん。大丈夫だから。行ってきます」

俺は、心配性な母さんの話を早々に切り上げて玄関のドアを開ける。