彼の素顔は甘くて危険すぎる


「俺へのクリスマスプレゼントは?」
「………ない。ってか、欲しいの?」
「もちろん!」

何やら瞳を輝かせてるし。
急に言われても困るよ。

「何も用意してないんだけど?」
「じゃあ、今から用意して」
「えっ」

今から………無理でしょ。
何か欲しいものを買ってあげればいいのかな?
といっても、大抵のものは持ってるでしょ、アナタ。

「何が欲しいの?……欲しいものある?」
「ある」
「何?……私のお小遣いで買える範囲でお願いします」

不破くんと違って、お金持ちじゃない。
買える額にも限界があるんだけど?

「お金は必要ない」
「え?」
「プライスレスで」
「え、……何だろ?」

頬杖をついて、じっと見つめられるとドキドキしちゃう。
学校では眼鏡かけてるけど、さっきの収録後から眼鏡外してるお陰で、イケメン具合が割り増しされてる。
しかも、ハンバーガーを食べる為にマスク取ったから、イケメン度がグンと上がったのは言うまでもない。

「愛の告白」
「は?」
「クリスマスなんだから、甘~いセリフで」
「無理。……絶対ムリ!」
「いいじゃん、今日くらい」
「無理ムリむりっ、私には無理だって」
「えぇ~っ、ケチ~ッ」
「ケチでもなんでもいいけど、無理なもんはムリだから」

何?愛の告白って。
そもそも、愛が何なのかすらまだ知らないんだけど、私。

「食べ終わったんなら、出よ?」
「え、逃げんの?」
「っ……」

じーっと見つめられて、正直視線のやり場に困っていた。
眼鏡とマスクを着けて欲しい、だなんて言えないか。