夕食を食べ終え、食器を片付けていると。
「土曜日は事務所のスタジオに籠るから無理だけど、それ以外ならいつでもいいよ」
「えっ、……じゃあ、明日も明後日もいいの?」
「ん」
「ダメな日以外、毎日通うって言っても?」
「いいよ?ってか、俺、夕飯にありつけるし」
「あ、………そうだね」
そうか。
そういうことか。
なんだ、変に遠慮しちゃったけど、いいのか……。
「何、その笑顔」
「え?………っ」
あまりに嬉しくて、ついついにやけてたらしい。
彼にバッチリ見られてしまった。
「んっ……?!」
流水で洗い流してる私を背後から抱き締めた。
「いっそのこと、ここに住む?」
「ッ?!……なっ、にをっ言ってっんッ!?」
泡手を流し、彼の腕から逃げようと体を捩ったら……。
不意に、唇を奪われた。
この前みたいに執拗にする感じじゃなくて、優しく、軽く啄むみたいに。
「んっもうッ!こういうの要らないって言ったじゃんッ!!」
「あ、いや、……可愛い顔するからつい」
「っ……」
もう何なのっ?!
キスって、相手の同意がいるもんじゃないの?!
私のセカンドキスもこの無駄にイケメンな彼になっちゃったじゃない!
「半径50センチ以内に近づくの、禁止です!!」
「えぇ~っ、何でぇ~」
「何でも!理由はない!!」
フェロモン垂れ流し男に近づいたら危険だ。
ある程度の距離を取って、遠くから眺めるくらいが一番いい。
心臓にも負担がかかるし、早死にしたくない。
「そんなに警戒しなくてもいいのに」



