(ひまり視点)
クリスマスプレゼントに彼愛用のブランドのピアスをプレゼントしたら、彼から自宅の鍵を貰ってしまった。
いいのだろうか?
たまにレコーディングで不在になる時があって、そういう時は自分の家で絵を描いて過ごしてるんだけど。
彼は家で待っててくれてもいいと言う。
本人がいないのに上がり込むのはどうかと思うから、今まで1人で留守番をしたことは無い。
だけど、ほぼ一人暮らし状態の彼の家の鍵を貰うという事自体が嬉しい。
鍵を使う使わないということは置いておいたとしても、ちゃんと『彼女』だと認めて貰えたということだもんね。
彼と色違いのキーケースというだけでも嬉しいのに。
『H&H』と文字入れまでして貰えて。
さらにそこに鍵まで付いてるだなんて……。
嬉し過ぎてずっと眺めていられる。
彼はいつだって先の先を気遣ってくれる。
私なんていつもその場凌ぎで手一杯なのに。
ご両親から許可を得たと言ってるけど、本当なのかな?
単なる彼女にタワーマンションの鍵を簡単に渡していいのだろうか?
ロスに着いたら確認しなくちゃ。
ケーキを一口頬張ると、横に座る彼が髪を優しく撫でて……。
「それと、これも」
彼の声に反応するように視線を上げると、そこには今日発売のCDが差し出された。
抽選5名様限定の手帳もだ!!
しかも、サイン入りじゃない、これ……。
彼のサインは本当に貴重。
今まで特典として何枚か書いたみたいだけど、業界人にすらサインはくれないという徹底ぶり。
メディアに出ないのも徹底してる。
アーティストとして実力で勝負したいらしく、その初心は決してブレない。
私も初心を忘れないようにしないと。



