彼の家で夕食を作ろうと冷蔵庫を開けた、その時。
不意に学校の更衣室での出来事を思い出して…。
すぐさま彼におねだりしてみた。
卒業式に第二ボタンが欲しいと。
少し前から、更衣室で着替えてる時に、下級生から『不破先輩から貰いたい』だの『不破先輩に告白する』だの聞こえて来て。
最近、卒業も近いというのもあるかもしれないけれど。
彼が学校で眼鏡をかけてない日が多くなって来た。
だからなのか、彼の本当の姿である、イケメンフェイスがバレ始めてて。
そんなこと知る由もない彼は、いつも通り飄々としてるんだけど。
いつか、魅力的な子に惹かれて、私の元から去ってしまうんじゃないかと焦る自分がいる。
だからというのもある。
彼の家にお泊り計画を立てたのも……。
少しでも彼の気を引き止めたくて。
今まで恋愛なんてして来なかったから、どうしていいのか分からない。
私に出来ることなんて、彼に対して常に正直でいることくらい。
『好き』という気持ちを出し惜しみせず、いつでも『好きスキ』オーラを出すくらいしか出来ないと悟った。
『年末年始、ロスに来るか?』
やっと誘って貰えた。
ダメかと思ってたから、嬉しくて。
夏休みに1カ月近くも滞在してたから、彼の両親に嫌われたかと思っていた。
だから、もう誘って貰えないかもって。
「ロスに来るなら、1着でいいからドレス用意出来るか?」
「え?」
「いつも毎年恒例で、ハリウッドスターが集まるパーティーがあって、それに着るんだけど……」
「えぇぇぇっ、いいの?!私が行っても……」
「大丈夫じゃね?俺の彼女だって紹介するし」
「っ……」
「向こうで用意も出来るけど、デザインとサイズが厳しいかも」
「……なるほどね」



