「回りくどい言い方しても通じそうにないから、ずばり言うぞ?」
「……ん」

彼女の体を少し離して、真っすぐ見据えて口を開いた。

「ひまりが今望んでることを俺がしたとするな。で、その結果、妊娠したらどうする?大学中退して育てるつもり?それとも、学業優先して下ろすつもり?」
「………」
「どんなに気を付けてても、絶対はないからな?」
「……ん」
「それに、休学した上で子育てを優先して、何年かして復学したとして後悔するかもしれないぞ?そういうこと、ちゃんと考えてるか?」
「………」
「それと、俺今17歳だからな。万が一、妊娠させたとしても直ぐには責任取れないから」
「……ん」

冷たい言い方なのは承知の上。
遠回しに言ったところで誤解を抱かせてしまうなら、最初からきちんと説明すべきことだから。

アメリカ国籍でも婚姻は18歳以上から。
だから、どんなに早くても三か月後まではどうにも出来ない。

「ひまりとしたくないとかいうんじゃなくて。むしろ、今すぐでもそういうことしたいと思うけど、やっぱりさ、するならするで、ちゃんと気持ちの整理も必要だし。その上でお互いに合意の下なら、手順を踏んで少しずつしないか?」
「少しずつ……。それで、不破くんはいいの?」
「いいのっていうか、後悔して欲しくないから、今までめっちゃ大事にして来てんだけど」
「っ……」
「ひまりのこと、遊びじゃないから」
「……ん」

通じただろうか?
これ以上は説明のしようがない。

背中に回されてる手にぎゅっと力が入ったのが分かった、次の瞬間。

「じゃあ、……ちょっとずつ、してくってことで」
「………っ」