彼の素顔は甘くて危険すぎる


ひまりは、喜怒哀楽があまりない方だと思う。
喜んだり悲しんだりもするけど、その熱量はどちらかと言えば控えめな方。

内に秘めるタイプというのか。
我慢強く、自身の中で考え込むタイプだから、こうして表に出す時は結構思い詰めてて。

言いたいのに言えなくて、その感情をどうやって消化させていいのか困ってパニクるタイプだ。
だから、こうして涙を流して態度に示すという事は、何か言いたいことがあるわけで。

ひまりを優しく包み込むように抱き締める。

「俺も悪かった、ごめん」
「……んっ……っ」
「泣かしたくて怒ったわけじゃないから」
「っ……」

惚れてる俺の方が負けだって分かってる。
どんなひまりであっても、結局は全て許せてしまうんだから。

「それ以上泣くと、服脱がすぞ」
「っ……ッ?!」
「フッ、やっと顔上げた」
「だっでッ……」

鼻声のひまり。
それさえも可愛くて。

「俺の存在忘れられてショックだったのは事実だけど」
「………ん、ごめんね」
「感情を上手くコントロールする自信がなくて」
「……」
「怒りに任せたら、無理やりにでも襲ってしまいそうだったから」
「……えっ?」
「それくらい、ひまりのこと、スキってことだから」
「っ……」

俺の言葉が嬉しかったようで、照れる顔を隠す為に俺の胸に顔を埋めた。

ひまりの誕生日の翌日。
彼女の素肌の背中を見て以来、俺の中の欲求が日に日に増してるのは事実。

あんな風に照れながらも無防備に半裸になるって。
俺を男として見ていないか、それとも彼氏として一歩段階が進めたのか。
後者であって欲しいと思いながら、少しずつ触れる場所を増やしたりして。