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ご両親が仕事に出かけた後、漸く家の中が静かになった。
不破くんのお母様は、アメリカ国籍らしくて、幼い頃からロスで過ごしてるらしい。
もちろん、ご両親は日本人らしいんだけど。
育った環境が本場ロサンゼルス!だからなのか、かなり刺激的な方らしい。
その血筋を引いてる息子だから、うん、納得だ。
彼から危険な香りがしてもおかしくない。
お父様は物静かな方だけど、怒ったら怖いらしい。
そんな雰囲気微塵も見せないけれど。
「どこか行きたい所は?」
「どこでも♪不破くんと一緒なら♪」
「っ……」
「ん?」
変なこと言ったかな?
彼が手で口を覆って、視線を逸らした。
「ひまり」
「ん?」
「襲うよ?」
「………え」
出掛ける準備をしている私は、洗面鏡の前で髪をアップにしてるんだけど。
鏡越しの彼の視線が、危険極まりない、そんな眼をしてる。
「えっ、やっ……な、何してんのッ?!」
「ボタン外してる」
「ッ?!!」
ふんわりしたスカートに合うように、シンプルなブラウスなんだけど、バックボタンになっていて。
そのボタンを彼が既に2つ外した。
背中を隠すように反転して、彼と対峙する。
すると、洗面化粧台に両手をついた彼。
長い腕が私の体を拘束するように……。
「俺には見せてくれないのに、ババァには裸見せて……」
「え、だって女性同士じゃない」
「だから?……俺、彼氏でしょ」
「なっ……」
昨夜、一緒にお風呂に入ったことを言ってるらしい。
「今から入る?」
「入るって、お風呂に?!」
「そう」
「ダメに決まってるでしょ!」
「何で?」
「何でって……」
「一緒に寝るのもババァに取られて、腹立つんだけど」
「そんなこと言われても……」



