彼の素顔は甘くて危険すぎる


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「何だとッ?!」
「残念ね~、ひまりちゃんは、私が戴くから♪」
「おいっ!ババァッ!ひまりにキスすんなっ!」
「あら、いいじゃない♪チューくらい」
「離れろって!」

シャワーを浴びて寝ようとしたら、不破くんのお母様が『一緒に寝よう』とゲストルームにやって来た。
彼から『おやすみコール』のメールが来たから、お母様と一緒に寝ることになったと返信したら……。
目の前で親子喧嘩勃発。

お母様が耳打ちで『聖の本気度知りたいでしょ~?』だなんて言うから。
ついつい頷いてしまったんだけど。
お母様曰く、相当独占欲強くて、一途よ~♪だって。
そんなこと言われたら、嬉しくて寝れなくなっちゃうじゃない。

私の隣で寝るのは、例え母親でも譲れないという彼。
そんな息子を揶揄うようにあしらうお母様。
『女の子同士で寝るんだから邪魔しないで』というセリフに、『女の子じゃねぇだろ!』と敵対心丸出しで。
もういっそのこと、みんなで雑魚寝したらいいんじゃないかと思うほど。

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翌朝、朝食のためにキッチンで手伝っていると。

「Good morning♪」
「っ……、おはようございます」
「ババァ、気安く触んなっ」
「ひまりちゃん、嫉妬深い男は要注意よ?」
「………アハハハッ」

何だ、これ。
朝からテンション高っ。

綺麗にネイルが施された細い指が、私の顎を持ち上げた。
まるで『今日の朝ご飯はアナタよ♪』みたいな雰囲気で。

好かれるのは嬉しいけれど、何だろう?
親子だからかな、眼つきが似てる。
不破くんが黒豹なら、お母様は雌の黒豹?それとも、黒豹の女王?
何だかとっても高貴な感じも漂って、それでいて危険な香りがするんだけど。