彼の素顔は甘くて危険すぎる


彼のTシャツを掴んで、上目遣いでおねだりを初めてしてみる。
18歳、誕生日を迎えたからかな。
ちょっぴり危険なことも出来そうな気がする。

せっかくロスまで来たんだし。
今日は誕生日だしね。
少しくらい羽目を外したって、いいよね?

「そんな顔されたら、手加減出来ないからなっ」
「えっ、んッ……」

薄暗いとは言え、レストランの灯りが照らされてるってのに。
彼はちょっと強引にキスをして来た。
誰かに見られてるかもしれない。
そのちょっとしたスリル感が拍車をかけて、鼓動が激しく暴れ狂う。

角度を変え、何度も啄められて余裕のない私は、完全に彼に酔いしれてしまった。
何分くらいだろう?
数分くらいしてたのかな?
唇が離されてもクラクラしてしまって、自力で座ってられそうにない。

彼に寄り掛かるみたいにして彼の胸に顔を寄せると。

「煽ったのは、ひまりだからな」
「っ……」

顎を掴まれクイっと持ち上げられ、自然と絡む視線。
怪しい光が宿った瞳。
まさに黒豹みたいで、怖いのに逃げられない。
ううん、捕らわれてみたいと思ってしまうほど魅力的で。

尚も止まぬキスの雨。
浜辺に打ち寄せるさざ波の音と潮風。
レストランから流れて来る軽快の音楽。

異国の地に来た私を(いざな)うように……。

「んッ?!……っ……」

え、ちょっ、……ちょっと待ってっ!
彼の指先がワンピースの裾から中に這い上がって来た。
思わず左手で押さえて静止させたけど……。

「……さすがに、ここじゃ……」
「ここ、……じゃなきゃいいの?」
「へ?………あ」

あぁ、完全にスイッチが入ってるっぽい。
獰猛な黒豹の眼差しだよ……。