美大に合格したら、ピアスの穴を開けてもいいと親から許可を貰っている。
それを少し前に彼に話したんだけど。
初めて会ったイケメンバンドマン風の王子様の時と今日も、同じピアスをしている。
彼のお気に入りのブランドのものらしくて。
私もお揃いで着けたいと口走ったんだけど。
ピアスホールが開いてないから、聞き流すと思ってたのに。
「美大が合格するまでお預けになるけど、これのためにも頑張れよ」
「うん!!ありがとっ!!」
幾らするのか聞くのが怖いけど。
お揃いが何より嬉しくて。
蓋を閉めて握りしめた私は、彼にぎゅっと抱きついた。
「ひまり、ここ外」
「だってぇ……」
「だってとか、マジで可愛すぎっ」
「っ……」
頭をなでなでされた。
誰かに触られることが嬉しいと感じるだなんて、ちょっと前の私には分からない世界だった。
不破くん限定だけど、この心地よさと倖せ感は言葉に言い表せない。
「その顔ヤバい」
「んっ?!ブサイク?」
「あ、いや、めっちゃ可愛すぎて、ちゅーしたい」
「えっ、ここで?」
「ここじゃなかったら、いいの?」
「あ……」
恋愛上級者の人たちが、人前でイチャイチャする気持ちが何となく分かって来た。
誰かに見られてたとしても、今すぐぎゅーしたとかチュッしたいとか。
それが出来るほどの行動力はないけど、今なら……出来そうじゃない?
夜のビーチ、人はそこそこいるけど、ラブラブなカップルや若者、夜風を楽しむご夫婦がいるけど、周りを全く気にしてない。
お国柄なのかな?
雰囲気がそう思わせるのか、キスしたい気分になってくる。



