彼の素顔は甘くて危険すぎる


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両親に連絡して、早めに仕事を切り上げて貰い、一緒に外食を。
ひまりは終始緊張した様子で、両親との約束だという電話をかけて漸く気を落ち着かせた。

話を聞くと、近くのホテルに部屋を取っているらしい。
すかさず、俺の両親がホテルよりも自宅の方が安心だからと、ホテルをチェックアウト&キャンセルして自宅に連れ帰ると伝えてる。
こういう行動力は相変わらず凄まじい。

ハリウッド俳優相手に仕事をしているから、何事にも動じない両親。
トラブルは付き物。
その対応力が求められることもあるため、ひまりの宿泊場所を変更させるくらい朝飯前らしい。

レストランを出た俺らは、ひまりの荷物を取りにホテルへ向かい、手続きを済ませて自宅へと。
大事なお嬢さんを1人にしておけない、これが決定打だったようだ。

「不破くん、……ホントにいいの?ご迷惑じゃない?」
「全然っ!むしろ有難い」
「え?」

ホテルで見知らぬ男に襲われないとも言い切れない。
散歩したり買い物してる所を、目を付けられて尾行されて……。
無理、むり。
1人にしておけないっての。

一人っ子の俺は、溺愛というほどじゃないけど、親の愛情はそれなりに貰ってる方だと思う。
そんな両親が、息子に彼女が出来たと大喜び。
前の彼女と比較して、断然ひまりの方がいいと思ったようだ。

前の彼女は家にも入れたくない感じを全面に出してたのに、ひまりに対しては今すぐにでもお嫁に来ない?的な会話までしてる。
裏表のない素直な性格のひまりだからこそだと思うけど。