(不破視点)
8月2日、日本時間なら既に3日になってるんだけど、ロスの自宅前に彼女が現れた。
電話の会話が少し変だと気付いた、次の瞬間。
クラクションの音が自分の耳とスピーカーから聴こえたものが全くの同時で。
正直、脳震盪起こしたんじゃないかってくらい思考が停止して。
夢か現実なのか分からないけど、気付いたら玄関を飛び出していた。
目の前に現れた彼女は、白いワンピース姿に鍔の広い麦わら帽子を被っていて。
めちゃくちゃ可愛くて。
近くにご両親がいると思っていたのに、1人でロスまで来たと聞かされ、2度目の脳震盪に襲われた気がした。
いやいや、こんな可愛い子が1人でウロウロしたら、速攻で悪い男に連れて行かれるだろ。
最近、メイクをするようになったひまり。
清純でお淑やかな子が、それに華やかさと美しさも手に入れた。
ますます綺麗さがプラスされて。
正直、メイクされるとドキッとすることがある。
あまりに綺麗で可愛すぎて。
ノーメイクのあどけなさとは違い、女性らしさが割り増しされる。
他の男には見せたくない。
俺だけが知っていればいい、そう思ってしまう。
事務所の山本さんが、しきりにタレントにしたいと言うけど。
俺以外の男に笑顔を振りまいて欲しくない。
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「えっ、ちょっ……んっ……ッ」
飲み物を取りに1階に下りた俺ら。
キッチンでグラスに氷を入れてる彼女を抱き締め、唇を奪い、唇を抉じ開けて氷を移す。
1週間以上も触れてなかったから、加減がきかねぇ。
だって、俺に逢いにわざわざロスまで来たって聞かされたら……。



