「ここに表示されてる絵は、君の作品で間違いないかな?」
「………はい」
「不破から依頼されたと思うんだけど」
「はい、自由に描いてと頼まれまして……」
目の前に出されたタブレットに自分の絵が映し出され、驚いているひまり。
タブレットと俺を交互に見つめ、相当テンパってる。
「難しい言い方をすると、イラストの利用許諾契約というもので、ひまりちゃんが描いた絵の権利をうちの事務所が取り扱う事になるんだけど、そのライセンス料や利用時の条件を明記したのが、利用許諾契約書というものなんだけどね」
「………はい」
「簡単な話、『SëI』の専属絵師として契約して貰いたいということをお伝えしたくて」
「えっ?!」
「不破から聞いてない?……専属の話」
「……聞いたようにも思いますけど、意味が分からなくて」
「そうだよね。えっとね……」
ビジネスの話は、高校生には難し過ぎる。
それこそ、プロとして仕事を考えてるのなら話は別だけど。
まだひまりはそんなことを考えたことすらないと思うから。
社長の菅野から詳細を説明され、状況は吞み込めたようだ。
「とりあえず、下絵の状態で上げて貰って、それが曲として使われたものに関してライセンス料が発生します。グッズや資料、CDのジャケットなどに実用化される作品に関しては、別途契約を締結する形になるんだけれど、ご希望があれば遠慮なく言って貰って構わないからね?」
「………はい」
「とりあえずは、既に不破の方で使用した分があるみたいだから、仮契約という形で進めたいんだけど、いいかな?」



