彼の素顔は甘くて危険すぎる


(不破視点)

キスをしながら、試しにブラウスに手をかけてみた。
少し前もトライしてみたけど、突き放すとか頬を叩くみたいな拒絶な態度は見せない。

僅かに抵抗している、そんな素振り。

彼女の中で少しずつ慣れて来た証拠なのかもしれないけど。
それでも、怖い思いはさせたくない。

雰囲気に流され受け入れたとしても。
後悔だけはさせたくないから。

心の底から俺を求めてて欲しいし、俺だけに許して欲しいから。

ブラウスのボタンに手をかけると、すぐさまそれを止めようと手が重なる。
その手にそっと口づけをすると、彼女の瞳が揺れ動いたのが分かった。

ちゃんと理解してるっぽい。
流されてる感じではなく、ちゃんと納得してる、そんな瞳だ。

手の甲に落とした唇を指先に移し、彼女の指にもキスを落とす。
『大丈夫、傷つけたりしないから』と。

行為自体に興味のある子も多い中。
ひまりはそういうことに後ろ向きで。
だからこそ、惚れてるってのもあるんだけど。
少しずつ、俺の全てを受け入れて欲しいから……。

自身の指先にまで移した口元を彼女の肌に移すと、彼女の手がゆっくりと払われた。
……許可、されたらしい。

俺の中では既にひまりの全てを愛おしいって思ってるけど。
彼女の中では、俺はまだ表面でしか受け入れて貰えてない気がして。

少しずつ、ほんの僅かな感じでいいから。
徐々に俺の全てを受け入れて貰えるようにハードルを押し下げて。

襟元から下ろした手は俺のYシャツをぎゅっと掴んでいる。
必死に努力してるのが分かるから……。
今日はこの辺で勘弁してやらないとな。

ブラウスのボタンを1つだけ外して、ブラの肩紐の金具近くにキスマークをつけた。
よく頑張りました!の花丸印を。