彼の素顔は甘くて危険すぎる


お洒落な包装紙で包まれたそれは、微妙に中の物が動いてる。
正確には、一つではないらしく、幾つかが包装紙の中で僅かに動いてるんだけど。

包みを開けると、中から出て来たのは……。

「えっ、何これ、めっちゃカッコいいッ!!ひまりの手作り……だよな?」
「……うん、全部じゃないけど、ほぼね」

あ、だからあんなにも質問して来たのか。

『白龍』
俺が好きなモチーフで、彼女はそれを楽器アクセサリーに描いてくれた。

「これ、ピックホルダー?」
「うん。持ってるだろうけど」
「いや、めっちゃ助かる。使ってたやつかなり汚れてたから」
「うん、知ってる」
「え、これオリジナルノートなの?」
「うん、デザインだけ私がしたの」
「マジ、すげぇな」

楽譜ノート。
五線譜の表紙が、ピックホルダーと同じ白龍が描かれている。
しかも、リング式で見開きしやすいし、かなりのページ数があるから便利なのは言うまでもない。

ピックホルダーを手に取って絵を凝視すると、僅かにカラカラと音がする。
中に何かが入ってるようだ。
ステンレス仕様の缶の蓋を開けると。

「うっわぁ……マジで?」

中に入っていたのは蓋や譜面ノートと同じ絵柄の白龍が描かれてるギターピック。
しかも、数種類ある。
あ、だからこの間、ピックが欲しいって言ってたのか。
欲しいと言うから幾つかあげたんだけど、まさかこれに変身するとは。

有名なギタリストやバンドマンならオリジナルピックを作る人も多い。
俺はまだ駆け出しというのもあって、オリジナル制作はまだ手をつけてない。
だけど、こんな風に手にしてみると、やっぱりいいもんだな。

「ひまり、さんきゅ」
「んッ!?」

お礼のつもりでほっぺにちゅーしてみた。