道案内をしてもらいながら帰っていたら、いつのまにか夕方になってしまった。
隣を歩く瀬戸先輩と出会って数日。
たった数日だけど、一緒に過ごす中で、確信めいたものがあった。
「……やっぱり、瀬戸先輩はバスケが大好きなんですね」
「…………嫌いになったって言っただろう?」
苦虫を噛みつぶしたような顔って言うのかな……?
瀬戸先輩が本気で「嫌いだ」って言ってるんじゃなくて……。
「嫌いだ」って口にして、自分の言葉で傷ついているように、私には見える。
「嫌いなんだよ、バスケなんてな……」
言いながら、寂しそうに笑う瀬戸先輩のことを見てたら、私の胸の方がぎゅうって苦しくなってしまった。
瀬戸先輩は絶対バスケのことが好きなんだと思う。
今日、ハジメ君にバスケを教えてる時の先輩、とっても幸せそうだったのに……。
だから、おせっかいかもしれないけれど、私は思わず瀬戸先輩に食いついてしまった。
「嘘です。瀬戸先輩、子どもの頃から好きなものはずっと好きだって言ってました」
「それは……」
「今日もバスケをしている時、すっごく嬉しそうにしてましたもん!」
瀬戸先輩はその場に立ち止まると、そのまま黙りこくってしまった。
そんな彼の姿が――昔、隣町の応援にいった時に出会ったセト君の姿と重なってみえる。
ずっとずっと応援で追いかけてきたから分かる。
天使みたいだった見た目は、大きくなってコワモテな風貌になってしまったけれど――。
「瀬戸先輩、聞いて欲しいことがあります」


