瀬戸先輩の発言に困惑していると――。
「お前、こんなに俺と顔近くて、何も思わねえの……?」
「え??」
何も思わないどころか、どっちかというとドキドキしているが……。
「一応さ、俺も男だし……二人っきりで閉じ込められたら、ミイラ化の心配よりも、他に心配することあるだろう?」
そう言われて、私は悩む。
……ミイラ化って普通は言わないのかな?
「ええっと……何だろう……? ミイラ化に似てる別の言葉……」
「誰もミイラ化って言葉を変換しろって言ってねえよ!!」
せっかくのイケメンが台無しなぐらい、コワモテな顔をされて、私は悲鳴を上げてしまった。
「ひえっ……」
「ああ、なんか一人で色々緊張してる俺が馬鹿だったな……」
そう言うと、瀬戸先輩は私の顎からパッと指を離した。
「色々緊張?」
「ああ、そりゃあそうだろう……」
そうして、彼は続けた。
「さすがに警備の奴らが来るって分かってるけど、とにかく俺は寝たふりでもなんでもしないと……結構緊張してるんだよ……だから寝るわ」
そう言うと、また彼が瞼を閉じてしまった。
「ええっと……」
「寝るから話しかけないでくれよ……」
「その……」
「どうした?」
私は意を決して告げた。
「閉じ込められたら、もう一生推しに会えない……とかですか??」


