気づいたら、そう口走っていた。

君は驚いたような顔をしたけど、それでもゆっくり頷いた。

「……聞いてくれる?」

「もちろん」

私が微笑むと、君の肩が少しふっと楽になっているように見えた。

「今日の放課後、時間ある?」

遠慮気味に聞いてくるその姿は、まるで小動物のよう。

「うん。今日の放課後、約束ね」

私たちは小指を絡め、微笑みあった。