「……見てたの?」

バツが悪そうに君は言った。

「……うん、ごめん」

聞き耳を立てていたのは、ダメだって分かっている。

それでも、好きな人が苦しいのは私も苦しいのだ。

「忘れて。ね?」

お願い、と言われても、いじめを見て見ぬふりをする人にはなりたくない。

君が学校に来なくなったら私も辛い。

「聞かせて。お願い、誰にも言わないって約束するから、私に話して」