瑠梨ちゃんの一言に、頭の中が真っ白になる。


 好きな子、いるんだ。

 考えてみれば、そんなの全然不思議でもなんでもない。

 きっと、平凡で化粧っ気もないわたしなんかより、ずっとかわいらしい子で。

 バレンタインの日に、告白なんかされちゃったりして。

 そしたら、わたしがこっそり見つめる四ノ宮くんの隣には、いつだってカノジョがいて——。

 箸を握りしめる手にきゅっと力が入る。


 ヤダ。……いつもが、いつも通りじゃなくなっちゃう。


 だからって、その前にわたしが告白したところで結果は変わらない。


 変わらないって、わかってるけど……。


 ちらりと四ノ宮くんの方を見る。

 男友だちとしゃべりながら、すごく楽しそうに笑ってる。


 隣に立つカノジョには、どんな表情を見せるんだろう。


 そんなことを考えただけで、胸がズキズキする。