3年越しのバレンタイン

「知ってるよね? 四ノ宮、東京の大学に推薦で合格したって」

「それは知ってるけど……」

「大学入ったらさ、きっと会えなくなっちゃうんだよ? 今気持ち伝えなかったら、永遠にお別れなんだよ!?」

「……こうやって、みんなバラバラになっていくんだね。そう考えたら、今のこの時間って、すごく大事に思えてくるよね。だからわたしは……今のまま、みんなと仲良く卒業したい、かな」

 そう言って小さく笑うわたしに、

「まあ、佳音がそうしたいなら、無理強いはしないけどさー」

 と、瑠璃ちゃんが不服そうに言う。

「でも四ノ宮、好きな子がいるらしいよ。だから、誰からの告白も断ってるってウワサ。もしその子とうまくいっちゃったら——このままではいられなくなるかもね」