ダダーン!

 床に打ち付けられたボールが大きく跳ねる。

「っしゃー!」

 大きくガッツポーズする四ノ宮くん。

 バレーボールの試合をこんなに間近で見るのははじめてで、スピード、パワーに圧倒されっぱなし。


《ごめん、瑠梨ちゃん。やっぱり同窓会行けなくなっちゃった》

 昨夜、家に帰ってから瑠梨ちゃんにメッセージを送ると、

《ってことは、うまくいったんだね》

 と、お祝いのクラッカーを引っ張るウサギのスタンプが送られてきた。


 もうっ、完全にグルだったってことだよね。

 わたしをダマしたこと、ひと言文句言ってやらなくちゃ。

《瑠梨ちゃん。……本当にありがとう》

《末永くお幸せに~》

 もう一度わたしに勇気をくれた瑠梨ちゃんからの祝福に、うれし涙が一粒こぼれ落ちた。


(了)