3年越しのバレンタイン

 後悔に頭の中が支配されそうになったとき——。

「試合前に食べる。そんで、いっぱい点取ってくるわ」

 うれしそうに箱をぎゅっと握りしめる四ノ宮くんに、胸がとくんと高鳴る。

「あ、危ないからっ! もしお腹壊したりしたら……」

「なに言ってんだよ。大丈夫だって」

 慌てるわたしに、四ノ宮くんがからから笑う。

「あのっ、四ノ宮くん」

「うん?」

「えと……その……」

「うん」

 四ノ宮くんが、優しく続きを促してくれる。

「高校1年生のとき……はじめて会ったときから……ずっと好き、でした」