3年越しのバレンタイン

「高校卒業して、大学入ってまたバレーボール漬けんなってたんだけどさ。2月15日に同窓会があるって聞いて、いてもたってもいられなくなって……ちゃんと確かめないと、俺、前に進めないから。……ごめんな。吉沢に同窓会の日にち、ウソつかせた」

「う、ううん」

 ……でも、なんのため?

 わたしとふたりっきりで会うため……なんて、わたしの都合のいいように解釈してもいいの?

「あのさっ……明日俺、この近くの体育館でバレーの試合があるんだ。……その……そのために今日からこっち帰ってきてたんだけどさ。……よかったら、明日、応援に来てくれない?」

「え……?」

「いや、わかってる! 同窓会あるしな。そっちに出たかったら、出てくれても全然いいんだ。俺は試合があるから同窓会は行けないけど。それに、他に好きなやつとか……付き合ってるやつがいるなら、別にいいんだけど……」

 そう言いながら、四ノ宮くんがちらっとわたしの方を見る。