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この後、私は進路を誉田くんと同じ学部に決めた。大学自体は、塔ヶ崎くんとも同じなんだ。
誉田くんは院まで行くって。研究の方だからって。うんうん、それがいい。それがいいよ、誉田くんは。

これは、後から知ったんだけど、塔ヶ崎家は、18歳を過ぎるまで部屋に異性を入れたら駄目というしきたりがあるらしい。
だから、いつもリビングだったの?
誰もいなくても、それを律儀に守ってる塔ヶ崎くんは、実は私より真面目なんじゃないかなって思う。
私はすぐに「今日、部屋に来て」って言ってしまう。
「いいけど……」と、複雑そう。
18歳になったら部屋に入れてねって約束してる。
先の事はどうなるかわからないけれど。

あと、塔ヶ崎家にもう一匹家族が増えました。
「うめ」っていうおばあちゃんみたいな名前の黒猫。とても人見知りでかくれんぼが、好き、なんだって。
なかなか見つけられないの。

──あれ?
そういえば、あのクジでペアを決めた日
「どのペアが一番、楽しめるか」
って言ってたよね?どうなったんだろう。どのペアが一番、楽しめたのかな?

誰も何も言わないけど……

いっか、もう。


───end