塔ヶ崎くんは時々
「聡子、俺のこと、好き?」
って聞いてくる。その顔がすっっっごい可愛くて、胸がぎゅってされてるみたいになる。
ほんと、大好き。

だから、私から「好き」ってあんまり言わないようにしている。
そしたら塔ヶ崎くんが可愛い顔で
「聡子、俺のこと、好き?」って聞いてくれるんじゃないかなって狙ってる。その顔が見たいから。
「大好き」
って言う準備はいつもしてる。
結局自分がそうしたいから。それなら、私は自分勝手なのかもしれない。

でも、それくらい。いいよね。
……早く、聞いてくれないかな。

『私は、私らしくないことをしたい』
ずっと、頑張ってきたから。一回でいいから。
夏の始まりにそう言った。

私はこんな毎日に背を背けながらも憧れていた。
私らしくないこと、じゃなくて、私らしく、これからは生きていきたい。
こう言えば大げさだけど、塔ヶ崎くんが横にいてくれたら、私らしくいられると思う。

ので、ずっと一緒にいてくれたらなあって思う。頑張るからさ。
「頑張らなくてもいい」って言ってくれるけれど、やっぱりさ、頑張りたい。