「陽葵、清夏、またこうやって女子だけで喋ろう。買い物も付き合って欲しい。私、ダサイし」

「え! いいの?」
「聡子勉強あるし、誘いづらかったの。うっわあ、嬉しい! うんうん、買い物も行こう」

陽葵も清夏も嬉しそうに言ってくれた。
陽葵も清夏もおしゃれで華やな目立つタイプで、私とは違うと思っていたけど、こうやって気を遣ってくれてた。

ああ、やっぱり人生損してたなあ。
清夏が帰り道、「塔ヶ崎くん、服選ぶのとか大好きだから一緒に買い物行って『服選んで』って言ったら喜ぶよ」って教えてくれた。
そっか、塔ヶ崎くんに頼んでもいいのか。

──なぜか知らないけど、3人での寄り道に舞花が混じることがある。(陽葵は元々友達だったみたい。クラスが替わって疎遠になっていたらしい)

清夏が誉田くんと付き合ってるって知るとギャーギャー言って
陽葵が日野くんと付き合ってるって知るとギャーギャー言って
私も付き合うことになったって言ったら、ギャーギャー言わずに黙った。

「何なの、あんたたち! 羨ましい!!」ってやっぱりギャーギャー言った。

「舞花も頑張りなよ」って事情を知らない陽葵に言われて、「そうする」って素直に頷いていた。
「やっぱ、ムカつく! 負けてないのに、頭以外は!」って言われたけれど。
「何が?」って不思議そうな陽葵には
「頭は勝ってるけど、顔は負けてる!」って言ったから吹き出してしまった。

「何、そのマウント」って清夏が苦笑いしてた。