学校帰り、もう午前中ではないけれど、塔ヶ崎くんのお家にお邪魔する。

ご家族にも何人かお会いしたけれど、みなさん歓迎して下さって、何ていうか、個性的なご家族だ。

リビングで時々、ちょっとだけ歌ってくれる。
ミュージシャンになりたかったんじゃないのか?ってくらい私の前で歌うのを恥ずかしがる。

パーシモンは私にすごく懐いてくれるようになった。しょっちゅう来てるからね。すごい、美人なの!

いつも塔ヶ崎くんの向かいに座っていたんだけど、最近は自分から横に座ってる。
だって、手、繋ぎたいし。触れていたし。

それなのに、「ちょっと離れて」とか言ってくるんだよ、最近。嫌じゃないくせに。
仕方がないないから、もっとくっついてやるんだ。

「さ、あと10分だけくっついたら、勉強するね」
「あ、そう?」
嫌がるくせに、寂しそうにもする。でも、勉強もしなきゃ。まだ進路には迷っているけど、どんな方向へ進もうと勉強しなきゃならないことは変わらない。
「聡子、そういうとこある」って、塔ヶ崎くんは言うけれど。

私の部屋には、名前は知らないけど2メートルくらいに大きくなるひまわりの種。それとゴッホとモネのひまわりの種。来年の為に時期が来たら撒こうと思う。すごく、楽しみ。今から来年の夏休みが楽しみ。