一緒に教室を出ると
「撰くん、ばいばーい」
なんて女の子から声を掛けられて
「おー」なんて返してる。
「塔ヶ崎先輩」なんて、1年生だろう女の子からも挨拶されて
「おー」なんて返してる。
……女子、ばっかり。私のやきもち焼き!
塔ヶ崎くんが私の手の甲をつんつんしてきて、顔を上げた。
「眉間のシワ! ここで繋ぐの、アリ?ナシ?」
「……アリ!」
下駄箱で靴に履き替えると、まだ校内なのに手を繋ぐ。
……恥ずかしい。すごい見られる。
「嘘でしょ!?」なんて言葉も聞こえてきた。やっぱり外出てからの方が良かったかなって思ったけど
塔ヶ崎くんは、「ん?」って気にしていない。だから、繋ぐ手を離す気にならなかった。
「聡子、今日は塾?」
「そうだよ」
「そっか。俺も髪、切ってくるわ」
「ああ、寂しいなあ。格好いいのに」
「ん」
塔ヶ崎くんが、スマホを取り出してインカメラを開いた。
「近寄ってね、ちゃんと」って言われたから
これ以上は無理っていうくらい近寄った。
「ちゃんと、青いとこ見せて」
って言うと、髪をかきあげてくれた。
──後から送ってくれた写真は、ちょっと遠慮すれば良かったっていうくらい私の顔がしっかり映っていて、慣れてなくて恥ずかしい。
塔ヶ崎くんの顔がしっかり映ってれば良かったのに!
「撰くん、ばいばーい」
なんて女の子から声を掛けられて
「おー」なんて返してる。
「塔ヶ崎先輩」なんて、1年生だろう女の子からも挨拶されて
「おー」なんて返してる。
……女子、ばっかり。私のやきもち焼き!
塔ヶ崎くんが私の手の甲をつんつんしてきて、顔を上げた。
「眉間のシワ! ここで繋ぐの、アリ?ナシ?」
「……アリ!」
下駄箱で靴に履き替えると、まだ校内なのに手を繋ぐ。
……恥ずかしい。すごい見られる。
「嘘でしょ!?」なんて言葉も聞こえてきた。やっぱり外出てからの方が良かったかなって思ったけど
塔ヶ崎くんは、「ん?」って気にしていない。だから、繋ぐ手を離す気にならなかった。
「聡子、今日は塾?」
「そうだよ」
「そっか。俺も髪、切ってくるわ」
「ああ、寂しいなあ。格好いいのに」
「ん」
塔ヶ崎くんが、スマホを取り出してインカメラを開いた。
「近寄ってね、ちゃんと」って言われたから
これ以上は無理っていうくらい近寄った。
「ちゃんと、青いとこ見せて」
って言うと、髪をかきあげてくれた。
──後から送ってくれた写真は、ちょっと遠慮すれば良かったっていうくらい私の顔がしっかり映っていて、慣れてなくて恥ずかしい。
塔ヶ崎くんの顔がしっかり映ってれば良かったのに!



