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聡子とは、また毎日のように会うようになった。もやもやするけど、俺のこと好きだって言うし、好きなんだろうなって思うこともある。結局、信じるしかない。

信じる、信じないとか、考えてみたら付き合ってないのに、付き合ってるより関係性は深くなっていった。家族にも会わせたし(不可抗力)。

そんな時のことだった。
松下も細川もまだお互いに話してないとわかったのは。

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「あ、めんどいし、長くなるから先に言うけど、松下は今、陽太を好きで、細川は昂良を好きなんだ 」

これで解決。二人のほっとした顔にこちらも笑顔になった。
俺からも聞きたかった。もしかして聡子、二人に俺のこと、相談してないかなって。少し期待もしてた。

……全然してない。一気に自信がなくなる。

「聡子が、俺の事を好きなんだけど……」
そう言ったら、自惚れだってドン引きされた。……結構自信なくなってきたけど。
聡子にどうしてやるのが正解なんだろうか。

「塔ヶ崎くんはどうしたいの?」
「……俺? だから、付き合いたい」
即答して、自分にハッとなる。

そうだ、バカか。俺、聡子に好きだって言ってない。

「師匠、それずっと悩んでたんだ」
「そうだよ、ずっともやもやもやもや」
「聡子はバリバリ勉強集中してんのにね」
「その通り」
「でもさ、女の子は恋すると綺麗になったり頑張れるけど、男の子は恋するとダメになるって言うもんねえ」

心当たりがありすぎる。ずっともやもやしてたし。
あいつらに感化されたわけじゃない。けど、俺も……このペアが終わる“最終日”に賭けてみようと思う。

その日が終わっても、ペアじゃなくなっても、家に来て欲しい。