「ね、えっと……お名前は?」
「佐鳥聡子です」
「聡子ちゃんね。私も家族は多いけど、どうなるかわからないわよ? まだ独身だし。学生だし、医者なれるかわからないし。なるけど」
「でも、独身でも誰かが骨を……」
「拾ってくれると思うんだけど、私死んでたらどうなるか知らない。たぶんってだけ。聡子ちゃんが死ぬまでに、たぶん、拾ってくれるって友達が出来てたらいいわね。今だって、一人で死んじゃった人は、誰かがそうしてる。これからもっと増えるかもしれない」
「そう言われればそうですね」

「何の話してんだよ、朝から」
塔ヶ崎くんは苦笑いだ。

「彼氏は別れたらあっという間に他人になっちゃうけど、友達はずっとそうしてられるものね」
お姉さんがチラリ、塔ヶ崎くんを見ると苦笑いしたまま。

「友達、いいですね。そんなの頼めるくらいの人!」

「あ! じゃあ、私と友達になろ。撰とは別れちゃうかもしれないけど、私とはずっといられる。ただ、私の方が年上だから先に死ぬかもね。そしたら聡子ちゃんの骨は私の子供とか弟に拾うように言っておくね」
「適当だし、めちゃくちゃ」
「うん、適当だし、どうなるかわからない。でも今そうしたいって思ったから言ったの。その時になったら聡子ちゃんの骨拾いたい人100人くらいなってるかもしれないし、私なんかいらないっていわれるかもしれない。でも、聡子ちゃんの骨は拾うからね!」

お姉さんはにっっこり、笑った。