可愛い容器なんて存在しなかったし、ラッピングも何もなくて、半泣き。このクオリティを好きな人にあげるなんて逆にすごいハートが強い。

……“好きな人”って自然にそう思った自分に驚く。もちろん、そんなこととっくに自覚してるし、わかってる。でも……やっぱり私は……塔ヶ崎くんの事が好きなんだな。
そう思うと、自分のことなのにすごく嬉しくなって、大事にしたい。この気持ち。

塔ヶ崎くんは、とっくにこの気持ちを知ってくれている。何で自覚と同時に告白しちゃったんだろう。バカすぎる。
それより、塔ヶ崎くんに悪かったなって思う。舞花の言葉は私を傷つけるための攻撃で、本人もそのつもりだったって今はわかる。それでもそこに傷つくのは、私が“そう”だと思うから。

塔ヶ崎くんは……『断れない』んだって。

自分でも戸惑う感情を塔ヶ崎くんにぶつけてしまった。だから、塔ヶ崎くんはそれを受け入れようとしてくれてる。塔ヶ崎がそうしようと思ったのは、自分の感情じゃなくて、私のため。

告白なんて、しなければ良かった。
しなければ、繋いだ手を素直に嬉しいと思えたのに。塔ヶ崎くんは私の荷物を持ってくれようとした。なのに手を出してしまった、私の気持ちを汲み取って、その手を繋いでくれるような、優しい人だから。