気づけば二人とも肩で息してて、筒井さんの友達二人と、美紘がハラハラした顔でこちらを伺っていた。

「……思ったより言うよね。地味な性格かと思ったら」
「筒井さんも。一人だと何も言えないのかと思った」
「言えるわよ、私は。ごめんね!」
「こっちも言えるわよ。ごめんね!」
「自分がすっきりしたいから謝ったんだからね!」
「私もだからね!」
「頭以外は負けてないから」
「私だって、顔以外は勝ってる」

「私は! 佐鳥さんよりもっと勇気あるから、言うけど。お昼!食べに行こ!」
真っ赤になってそう言った筒井さんに、最後は吹き出してしまった。

結局、5人でファーストフード店に行くとあとの二人にも謝られてしまった。

なんていうか、友達とファーストフード店に入るとか、やっぱり私って人生損していたかもしれない。

──それから、塾の帰りに時々、この中の誰かと寄り道することもあった。

「ダッサ! 何それ。絶対こっちのこれと合わした方がいいに決まってるでしょ? バカなの」
「バカ? 舞花より各教科20点は良かったよね、総合だともっと上」
「……ぐ」

時々、服を選ぶのを手伝ってくれる。
でも、塔ヶ崎くんのことは譲らないからね。
と、心の中で宣戦布告する。たぶん、向こうも思っているはず。わざと変な服を勧めてこないから根は優しい子なんだとは思う。バカだけど。