幼なじみにキュンしてる

「俺も」

「えっ?」

「俺も、真梨香が好き。……だから、他の女子から貰ったチョコも、申し訳ないなって思いながら貰ってた。くれた人たちには『好きな子いる』ってちゃんと伝えた。曖昧にしておくのは、その人たちのこれからの時間も奪っちゃうことになるから」

「そっか……」

 正直言うと、今、脳内パニックが起きている。
 OK貰えた……んだよね? 私。両想いってことでいいんだよね?

「なんか、お前の反応薄いな」

 敦は、私に近づき、頭をポンと軽く叩いて文句を言ってきた。
 
 その叩き方が、いつもよりすごく優しかった。
 いつもなら、夫婦漫才かってくらいバチンって叩いてくるのに。

 ……なんか、調子狂う。

「嬉しいよ。……嬉しいに決まってる。だって、敦に渡すためにチョコ作ったんだから」

「うん。じゃあ、そのチョコ早くほしいんだけど?」

 早くくれと言わんばかりに、私の目の前に手を出してきた。

「そんなに慌てなくても渡すよ! ちゃんと持ってきて……あれ? うそ……」

「どうした?」

 昨日の夜に作ったチョコ。
 今朝、家を出る前に鞄に入れたと思ってたけど、冷蔵庫に冷やしたままだということを今、思い出した。