「明日はハルくんの家に泊まりに行って、ハルくんの家族を紹介してもらうんだ」



夕飯の卓にくと、妹が言った。



「良かったわね。手土産は何がいいかしら」



「陽橘君のご家族に迷惑かけるんじゃないぞ」



「わかってるって」



母と父の言葉に笑顔で応える妹。


妹よ、お前もか。


なんだか損した気分になる。

いや別に、家が好きってわけでもないけど。

自分の出かける用事と、気にせず家に居れる時がかぶるなんてもったいない。

かといって、先輩との約束を取り消すつもりはないけれど。

そう思いながらも、嫌な予感が付き纏っていた。