「なら、逃げずにこっちに来てよ
香音ちゃん足速いから、僕疲れちゃったよ」
「……………………」
そして岩本は無言で立ち上がった
けど、俺は掴んでいた手を離さなかった
離したら………ダメな気がした
「……先生、手離してください」
「……………お前の知り合い?」
「…………はい」
「じゃあ何で走ってたんだよ
物凄い速さで
コイツから逃げてたんじゃないのかよ…?」
「………………」
「あんな速さで走って、お前の体が平気なわけないだろ
限界を迎えてもなお……走り続けたんじゃないのか?
今にも倒れそうだし」
「………離してください」
「……………嫌だと言ったら?」
「先生……」
「ねぇ、いい加減にしてよ
僕待ちくたびれてるんだけど
第一、教師であるアナタが生徒の香音ちゃんに手出してる方がおかしいんですよ?
分かってます?
それに香音ちゃんに振られたなら、香音ちゃんに干渉しないでくださいよ」
「……………岩本、アイツのところ行くな
お前らの関係性とか知らないけど…………お前、怯えてんじゃん
そんなのお前が傷つくだけだぞ」
「でも………」


