その影さえも眩しかったあの子…
”それ”を中学生時代にしっかと悟った麻衣
ここから”あの子”との究極対峙は始まっていた…。


『ヒート・フルーツ』の主人公二人…、ケイコと麻衣が見えないところで繋がっていた!
運命の真っ赤な糸を綴った編集エピソードです♪



その0
麻衣


今日、真樹子さんには迫田リエから決行の”Xデー”を知らせる連絡があった

今週の土曜日、夕方4時過ぎから決行地近くで”襲撃”に控えるらしい

その日が”空振り”なら、翌日の夕方も張り付いて”その時”を待つという

そんで、その日の現場には私も赴くことにしたんだ

何しろ、”今後”を見据えりゃあ、見ないわけにいかない

そうよ…、そこで起こることは、この目に焼き付けてこなきゃ!

私は、私の奥底に宿す心の主にもそう宣言した…


...


「…Xデーは今週末の土日ってことだわ。なんでも、独自で得た情報では、高原が神戸に発つ前の買い物にさ、隣家の横田競子を連れて行くらしいんだ。バイクに乗せて…。そこでヤルつもりよ、迫田は」

「そうですか…。いよいよ、決行するのね」

「それで、時間的にもあたり付けてるらしいんで、見学するんなら、どうぞって言ってきたんすよ。どうします?私が張りますか?」

「いえ、真樹子さんは忙しいしね。私がヤツの仕事ぶり、しっかりと見届けてやるわ。それに、あの小憎らしい横田って娘が痛い目に遭う場面は、是非この目で直に拝んだやりたいし…」

走り出した実感がした

もう止まれないだろうという、高揚感もあった

私たち二人は互いに薄笑いを浮かべながら、顔を見合わせていたよ

そして当日は来た…