なんとなくそれは今の俺のお守りみたいになっていた。


「ひよりさん」


彼女を思い浮かべるたび、胸の中にホワッと温かい火が灯る。


これほど好きだと思える人に出会ったのは初めてだ。


気にしたってはじまらないよな。


俺は俺のやり方で彼女をふりむかせるしかないんだから。


「よし、いくか」


弱気になりそうな心に喝をいれて、今日も彼女のいる二年生の教室へ向かった。