翼君のことを思い出して胸が詰まる思いになっていた私は、高橋さんのその言葉で我に返った。
「今日、お前が目の当たりにした生と死。何も感じなかったわけではないだろう?」
高橋さんの問い掛けに、無言で頷いていた。
「人間、皆、平等に生と死が与えられている。それがたとえ長かったとしても、短かったとしても、だ。ただ漠然と毎日を生きていても、それもその人の一生。他人に迷惑を掛けなければ悪いことなどない。しかし、その一生は本当に幸せな生と死だったと最期に振り返った時、果たして言えるだろうか。生きている命、生かされている命。生きていると思えるのなら、活きる命に変える努力を。生かされている命だと思えるのなら、往く命にする努力を。この場合の往くは、目的を果たすという意味だが……」
生きている命、生かされている命。生きていると思えるのなら、活きる命に変える努力を。生かされている命だと思えるのなら、往く命にする努力を。
私は……。
「限りある命。生きていられる限りある時間。同じ生きている、生かされている命ならば、その生を活に、往に、変える努力を惜しまないで欲しいと俺は願う」
いったい、私は何をしてきたんだろう。会社に入って、先輩達の怖さに怯え、逃げ出したいといつも思っていて……。翼君や此処に入院している子供達に触れても尚、ただ、いいイベントだったとしか述べられなかった視野の狭い心しか、持ち合わせていなかった。
「すみません……でした」
「謝ることはない。ただ、普段、忘れがちになっている働ける有り難みを、俺たちはあの子達から教わっているよな」
「はい……」
「行動を起こせる偽善者は、何もしない批判者よりは遥かにましだ。だが、僅かな時間、接しただけで、上辺だけ哀れんだりすることはしない方がいいと思う。相手に対して、それは失礼というものだ」
「今日、お前が目の当たりにした生と死。何も感じなかったわけではないだろう?」
高橋さんの問い掛けに、無言で頷いていた。
「人間、皆、平等に生と死が与えられている。それがたとえ長かったとしても、短かったとしても、だ。ただ漠然と毎日を生きていても、それもその人の一生。他人に迷惑を掛けなければ悪いことなどない。しかし、その一生は本当に幸せな生と死だったと最期に振り返った時、果たして言えるだろうか。生きている命、生かされている命。生きていると思えるのなら、活きる命に変える努力を。生かされている命だと思えるのなら、往く命にする努力を。この場合の往くは、目的を果たすという意味だが……」
生きている命、生かされている命。生きていると思えるのなら、活きる命に変える努力を。生かされている命だと思えるのなら、往く命にする努力を。
私は……。
「限りある命。生きていられる限りある時間。同じ生きている、生かされている命ならば、その生を活に、往に、変える努力を惜しまないで欲しいと俺は願う」
いったい、私は何をしてきたんだろう。会社に入って、先輩達の怖さに怯え、逃げ出したいといつも思っていて……。翼君や此処に入院している子供達に触れても尚、ただ、いいイベントだったとしか述べられなかった視野の狭い心しか、持ち合わせていなかった。
「すみません……でした」
「謝ることはない。ただ、普段、忘れがちになっている働ける有り難みを、俺たちはあの子達から教わっているよな」
「はい……」
「行動を起こせる偽善者は、何もしない批判者よりは遥かにましだ。だが、僅かな時間、接しただけで、上辺だけ哀れんだりすることはしない方がいいと思う。相手に対して、それは失礼というものだ」

