そんな感傷に浸っている時間もなく、それから片付けに追われていた。
無事、フライトを終えて、とても喜んで部屋から出て行く子供達とその親御さんを見送った後、時間で場所を借りていることと、やはり入院している患者である子供達のことを考えると、病院側との打ち合わせで決められた時間を遵守することが、とても大切であり、会社としてのモラルも問われることにもなるということを折原さんから聞かされ、片付けに徹していた。
「矢島さん。お疲れ様」
「お疲れ様でした。折原さん。色々、教えて頂き、ありがとうございました」
「アッハ……。何も教えてないわよ。矢島さんが、自分で判断して行動に移していた事の方が多かったんじゃない?」
えっ?
「そ、そんなことないです。何も出来なくて、私……」
「お疲れ様でした」
制服から私服に着替えていると、制服姿が本当に決まっていた先輩達が戻ってきた。
「お疲れ様でした」
本当に、あの人達は格好いいな。折原さんのフライトアテンダント姿も素敵だけれど。
「折原さん。あの方達は、どちらの方達なんですか?」
小声で折原さんに聞いてみた。
「ん? あの人達は、現役のフライトアテンダントよ」
「ええっ! 本当ですか」
「そう。毎回、何名か休みの人を出して貰っているの。機長もそうよ」
「ほ、本物の機長なんですか?」
「機長の偽物は、お子さん相手だとしても、いくら何でもやっぱりまずいでしょう。子供って、何処でその話をまた出すか分からないでしょう? TNAの機長は偽物だったなんて、そこだけ言われても困っちゃうじゃない?」
それもそうだ。子供って、本当に突拍子もない行動に出たり、言ったりもする。
「でも、子供は本当に凄いわよね」
「凄い? ですか?」
折原さんの言葉に、翼君のあの眩しい表情が思い浮かんだ。
「だって、あの無垢な心で考えて、純粋な目でこっちを見ているから、誤魔化せないでしょう? 邪心が全くないから、適当に応えたりしたら、尚更、分からないから問い掛けてくるもの」
確かに、そうかもしれない。翼君を見ていて眩しく感じられた私には、少しでもその邪心があるからかもしれない。
「高橋がさ……」
「は、はい」
高橋さんの名前を聞くと、何故か緊張してしまう。
「この訪問をしていると、毎回、勉強になることが沢山あるって言ってたわ。子供から教わることが、多々あるって」
毎回、勉強になること……。子供から教わること……。
「それじゃ、私はお先に。高橋が駐車場で待ってるって言ってたから、行ってあげてね」
「えっ? お、折原さん。ちょっと、待って下さい」
「何?」
無事、フライトを終えて、とても喜んで部屋から出て行く子供達とその親御さんを見送った後、時間で場所を借りていることと、やはり入院している患者である子供達のことを考えると、病院側との打ち合わせで決められた時間を遵守することが、とても大切であり、会社としてのモラルも問われることにもなるということを折原さんから聞かされ、片付けに徹していた。
「矢島さん。お疲れ様」
「お疲れ様でした。折原さん。色々、教えて頂き、ありがとうございました」
「アッハ……。何も教えてないわよ。矢島さんが、自分で判断して行動に移していた事の方が多かったんじゃない?」
えっ?
「そ、そんなことないです。何も出来なくて、私……」
「お疲れ様でした」
制服から私服に着替えていると、制服姿が本当に決まっていた先輩達が戻ってきた。
「お疲れ様でした」
本当に、あの人達は格好いいな。折原さんのフライトアテンダント姿も素敵だけれど。
「折原さん。あの方達は、どちらの方達なんですか?」
小声で折原さんに聞いてみた。
「ん? あの人達は、現役のフライトアテンダントよ」
「ええっ! 本当ですか」
「そう。毎回、何名か休みの人を出して貰っているの。機長もそうよ」
「ほ、本物の機長なんですか?」
「機長の偽物は、お子さん相手だとしても、いくら何でもやっぱりまずいでしょう。子供って、何処でその話をまた出すか分からないでしょう? TNAの機長は偽物だったなんて、そこだけ言われても困っちゃうじゃない?」
それもそうだ。子供って、本当に突拍子もない行動に出たり、言ったりもする。
「でも、子供は本当に凄いわよね」
「凄い? ですか?」
折原さんの言葉に、翼君のあの眩しい表情が思い浮かんだ。
「だって、あの無垢な心で考えて、純粋な目でこっちを見ているから、誤魔化せないでしょう? 邪心が全くないから、適当に応えたりしたら、尚更、分からないから問い掛けてくるもの」
確かに、そうかもしれない。翼君を見ていて眩しく感じられた私には、少しでもその邪心があるからかもしれない。
「高橋がさ……」
「は、はい」
高橋さんの名前を聞くと、何故か緊張してしまう。
「この訪問をしていると、毎回、勉強になることが沢山あるって言ってたわ。子供から教わることが、多々あるって」
毎回、勉強になること……。子供から教わること……。
「それじゃ、私はお先に。高橋が駐車場で待ってるって言ってたから、行ってあげてね」
「えっ? お、折原さん。ちょっと、待って下さい」
「何?」

