「あっ。名前、覚えてくれたんだ」
「うん。だって、お母さんが何回も高橋さんって呼んでたから」
「そうか。偉いな」
そう言いながら、高橋さんは翼君の頭を撫でながらしゃがんで、視線を翼君と合わせた。
「翼君。せっかく俺の名前を覚えてくれたんだから、翼君が元気になって退院したら、TNAの飛行機に乗せてあげるぞ」
「本当?」
「本当だ」
「絶対だよ。約束だよ」
「勿論だ」
「高橋さん……」
翼君のお母さんが、高橋さんの名前を小さい声で呼んだが、翼君の興奮気味の声にかき消されて高橋さんには聞こえなかったのか、聞こえていたとしても、敢えて聞こえないふりをしていたのかは分からなかった。
「本当に? 僕、フォーセブンに乗りたいんだ。フォーセブンに乗せてくれる?」
「ああ、翼君の好きな飛行機に乗せてあげるぞ」
「本当に退院したら、フォーセブンに乗せてくれるの? 高橋さん」
「俺は、出来ない約束はしない。必ず、約束する。翼君。これは、男と男の約束だ」
「やったあ! お母さん。僕が元気になったら、高橋さんが飛行機に乗せてくれるって。フォーセブンに乗せてくれるって」
満面の笑みで、翼君がお母さんに報告している。先ほどと同じ、きらきらと眩しい笑顔で。
「翼。良かったわね」
「うん。僕、元気になって直ぐ退院するから。高橋さん。待っててね」
「ああ。待ってるぞ」
「本当に……良かった……ね」
お母さん……。
呟くように言った、翼君のお母さんの言葉が胸を射貫き、じわりと鈍痛がその傷口から徐々に周りへと広がっていくようだった。
胸が痛いとは、本当はこういうことをいうのかもしれない。
「矢島さん。そろそろ片付ける時間になるから、こっちに来て手伝ってくれる?」
「あっ、はい」
「うん。だって、お母さんが何回も高橋さんって呼んでたから」
「そうか。偉いな」
そう言いながら、高橋さんは翼君の頭を撫でながらしゃがんで、視線を翼君と合わせた。
「翼君。せっかく俺の名前を覚えてくれたんだから、翼君が元気になって退院したら、TNAの飛行機に乗せてあげるぞ」
「本当?」
「本当だ」
「絶対だよ。約束だよ」
「勿論だ」
「高橋さん……」
翼君のお母さんが、高橋さんの名前を小さい声で呼んだが、翼君の興奮気味の声にかき消されて高橋さんには聞こえなかったのか、聞こえていたとしても、敢えて聞こえないふりをしていたのかは分からなかった。
「本当に? 僕、フォーセブンに乗りたいんだ。フォーセブンに乗せてくれる?」
「ああ、翼君の好きな飛行機に乗せてあげるぞ」
「本当に退院したら、フォーセブンに乗せてくれるの? 高橋さん」
「俺は、出来ない約束はしない。必ず、約束する。翼君。これは、男と男の約束だ」
「やったあ! お母さん。僕が元気になったら、高橋さんが飛行機に乗せてくれるって。フォーセブンに乗せてくれるって」
満面の笑みで、翼君がお母さんに報告している。先ほどと同じ、きらきらと眩しい笑顔で。
「翼。良かったわね」
「うん。僕、元気になって直ぐ退院するから。高橋さん。待っててね」
「ああ。待ってるぞ」
「本当に……良かった……ね」
お母さん……。
呟くように言った、翼君のお母さんの言葉が胸を射貫き、じわりと鈍痛がその傷口から徐々に周りへと広がっていくようだった。
胸が痛いとは、本当はこういうことをいうのかもしれない。
「矢島さん。そろそろ片付ける時間になるから、こっちに来て手伝ってくれる?」
「あっ、はい」

