「内定を貰えて凄く嬉しかったのですが、入社前の健康診断で一度、再検査になった時、きっともう入社は出来ないと半分諦めていました。けれど、経過観察ということで内定は取り消しにはならなかったんです。ちょうど、症状も安定していたというか、自分中心な考え方なのですが、運が良かったというか……」
「でも、それが負担になってしまった?」
明良さんの的を射た問い掛けに黙って頷くと、何故か明良さんは優しく微笑みを浮かべながら私を見ていた。
「入社したばかりの頃は、そんなには思っていなかったんです。だけど……」
「だけど?」
自分でも気づかなかったが、知らず、知らずのうちに溜め込んでいたのかもしれない。一気にそんな溜めていた思いを吐き出したせいか、落ち着いてきていた呼吸がまた少し苦しくなってしまった。
「落ち着いて。気持ちを楽に、大きく深呼吸して。何を聞いてもこの明良さんは、体は鍛えてるから、びくともしないよ」
明良さん……。
言われるまま、大きく深呼吸すると同時に目を瞑ると、高橋さんの顔が浮かんだ。
「高橋さんが……」
「貴博?」
唐突に出た高橋さんの名前に、明良さんが不思議そうに問い返した。
「貴博に、何か言われたの?」
「いえ、高橋さんは何も……。ただ……」
何でだろう。すんなりと、言い出せない自分が居る。
だが、明良さんは、そんな私が言い出すまで待っていてくれている。言い掛けた手前、言わずには済まされないし、今、話さなければ、誰にももう話せないかもしれない。そう思うと……。
「ほんの少しの勇気と、物事に対する情熱があれば、自分の中の問題って解決出来るんじゃないのかな? 対人関係は、得てして面倒で難しいと考えがちだけれど、その対人に話してこそ、解決出来ることもある。自分と同じように血液が流れ、心臓の鼓動が聞こえる人間だからこそ、語彙が伝わる。時に悩んで葛藤して、涙して苦しむから人の感情は生まれる。全てが平坦な道のような気持ちで生きられる人が居るとしたら、お目に掛かってみたいよ。もっとも、それってサイボーグのようで、何の魅力も感じないけれどね」
「私……」
明良さんが、言わんとしていることが胸が痛むほどわかって、それ故に言葉が上手く出て来ない。
「白衣、脱ごうか?」
「えっ?」
「ほら、よく言うでしょう? 白衣アレルギーとかいう、白衣姿を見ると緊張して、一気に血圧が上昇する患者さんとかいるみたいだからさ」
「でも、それが負担になってしまった?」
明良さんの的を射た問い掛けに黙って頷くと、何故か明良さんは優しく微笑みを浮かべながら私を見ていた。
「入社したばかりの頃は、そんなには思っていなかったんです。だけど……」
「だけど?」
自分でも気づかなかったが、知らず、知らずのうちに溜め込んでいたのかもしれない。一気にそんな溜めていた思いを吐き出したせいか、落ち着いてきていた呼吸がまた少し苦しくなってしまった。
「落ち着いて。気持ちを楽に、大きく深呼吸して。何を聞いてもこの明良さんは、体は鍛えてるから、びくともしないよ」
明良さん……。
言われるまま、大きく深呼吸すると同時に目を瞑ると、高橋さんの顔が浮かんだ。
「高橋さんが……」
「貴博?」
唐突に出た高橋さんの名前に、明良さんが不思議そうに問い返した。
「貴博に、何か言われたの?」
「いえ、高橋さんは何も……。ただ……」
何でだろう。すんなりと、言い出せない自分が居る。
だが、明良さんは、そんな私が言い出すまで待っていてくれている。言い掛けた手前、言わずには済まされないし、今、話さなければ、誰にももう話せないかもしれない。そう思うと……。
「ほんの少しの勇気と、物事に対する情熱があれば、自分の中の問題って解決出来るんじゃないのかな? 対人関係は、得てして面倒で難しいと考えがちだけれど、その対人に話してこそ、解決出来ることもある。自分と同じように血液が流れ、心臓の鼓動が聞こえる人間だからこそ、語彙が伝わる。時に悩んで葛藤して、涙して苦しむから人の感情は生まれる。全てが平坦な道のような気持ちで生きられる人が居るとしたら、お目に掛かってみたいよ。もっとも、それってサイボーグのようで、何の魅力も感じないけれどね」
「私……」
明良さんが、言わんとしていることが胸が痛むほどわかって、それ故に言葉が上手く出て来ない。
「白衣、脱ごうか?」
「えっ?」
「ほら、よく言うでしょう? 白衣アレルギーとかいう、白衣姿を見ると緊張して、一気に血圧が上昇する患者さんとかいるみたいだからさ」

