「先生が見落とされたために、患者さんは気分が悪くなってしまったんです。一言、詫びてもいいと思うのですが」
明良さん……。
「ああ、ごめんなさい。後は、その先生が診てくれますから安心して下さい」
「……」
明良さんに宛てて、まるで嫌みのような言い方をして行ってしまったが、そのことに対して明良さんは、何も言い返すことはなかった。
「すみません。明良さん」
「何も、君が謝ることでないよ。こちらの方こそ、ごめんなさい。あんな言い方しか出来なくて……」
「とんてもないです」
「少し、待ってて。今、新しい点滴を持って来るから」
「はい」
明良さんは、途中で止めた点滴を持って、カーテンを開けると出て行った。
医師にも、いろいろな人が居るんだな。そんなことを考えながら天井を見つめていたが、点滴を外したお陰か、先ほどよりは少し心臓がドキドキしなくなっていた。新しい点滴を持って明良さんが自ら針を刺してくれると、点滴の落ちる速さを見ながら口を開いた。
「急に仕事中に呼吸が苦しくなったみたいだけれど、最近、お腹の具合はどうなのかな?」
「お腹の方は、調子は良いです」
「そう。それなら、落ち着いているんだ」
「はい。あの……」
「もう、酸素マスクは外しても大丈夫そうだな」
言い掛けた言葉を遮るように、明良さんがパルスオキシメーターの数値を再度確認すると、酸素マスクを外して頭上のエアのスイッチを切った。
「どうかな? 外しても苦しくない?」
「はい。大丈夫です」
「呼吸もだいぶ楽になったみたいだし、会話も落ち着いて来ているから、点滴が終われば帰れると思うよ」
「ありがとうございます」
何だか、明良さんにそう言われると、凄く安心していた。
「あっ、さっき何か言い掛けていたけれど、何?」
明良さんは、私が言い掛けていたのを、わかってくれていたようだ。
「あの……。高橋さんに、私の病気のことを……」
「話してないよ。この前、会った時にも言ったけれど、矢島さんのプライバシーに関わること。つまり病歴等については、貴博には何も話していない」
明良さん……。
「ああ、ごめんなさい。後は、その先生が診てくれますから安心して下さい」
「……」
明良さんに宛てて、まるで嫌みのような言い方をして行ってしまったが、そのことに対して明良さんは、何も言い返すことはなかった。
「すみません。明良さん」
「何も、君が謝ることでないよ。こちらの方こそ、ごめんなさい。あんな言い方しか出来なくて……」
「とんてもないです」
「少し、待ってて。今、新しい点滴を持って来るから」
「はい」
明良さんは、途中で止めた点滴を持って、カーテンを開けると出て行った。
医師にも、いろいろな人が居るんだな。そんなことを考えながら天井を見つめていたが、点滴を外したお陰か、先ほどよりは少し心臓がドキドキしなくなっていた。新しい点滴を持って明良さんが自ら針を刺してくれると、点滴の落ちる速さを見ながら口を開いた。
「急に仕事中に呼吸が苦しくなったみたいだけれど、最近、お腹の具合はどうなのかな?」
「お腹の方は、調子は良いです」
「そう。それなら、落ち着いているんだ」
「はい。あの……」
「もう、酸素マスクは外しても大丈夫そうだな」
言い掛けた言葉を遮るように、明良さんがパルスオキシメーターの数値を再度確認すると、酸素マスクを外して頭上のエアのスイッチを切った。
「どうかな? 外しても苦しくない?」
「はい。大丈夫です」
「呼吸もだいぶ楽になったみたいだし、会話も落ち着いて来ているから、点滴が終われば帰れると思うよ」
「ありがとうございます」
何だか、明良さんにそう言われると、凄く安心していた。
「あっ、さっき何か言い掛けていたけれど、何?」
明良さんは、私が言い掛けていたのを、わかってくれていたようだ。
「あの……。高橋さんに、私の病気のことを……」
「話してないよ。この前、会った時にも言ったけれど、矢島さんのプライバシーに関わること。つまり病歴等については、貴博には何も話していない」

