高橋さんがニューヨークに赴任して1年が経ち、その間、今年度の新入社員も入って来たが、採用人数は私が入社した去年よりも更に人数が減って、本社もたった5名だった。しかも、全員ネイティブ並の英会話が出来るという新人で、本配属先は男子4名が営業で、女子1名が経営企画に配属された。
社内異動も例年通りで、このご時世からか、退職者が出た所属には補充は殆どされなかった。
採用の仕事をしていることもあって、その現状を目の当たりにして会社が本当に苦しい状況にあることをひしひしと感じていた。
去年、まだ会計に居た頃、高橋さんが取締役会で話していた内容を思い出す。きっと、もうあの頃から、否、それ以前から高橋さんは会社の危機を察知していたんだ。だから奇抜だと言われようとも、LCCのことも提案して……。その職務を遂行すべく、今、異国の地で邁進している。
『自分の今出来ることに最善を尽くせ』
私も頑張らないと。高橋さんと、約束したんだから。
シャワーを浴びて、髪の毛をバスタオルで乾かしながらテレビをつけると、画面いっぱいに今まで見たことのないような異様な光景が広がっていて映し出されていた。
「何、これ……」
映……画?
何か例えようのない違和感を覚えながら、リモコンでチャンネルの確認をしたが、国営放送のチャンネル数字が画面右上に表示された。
どういう……こと?
この景色。このビルは、まさか……。
テレビのスピーカーから聞こえて来る、耳を疑うような内容を読み上げるアナウンサーの声が耳を切り裂く。
「先ほど、現地時間の午前8時46分頃、ニューヨークのマンハッタンにある……ビルの北棟に航空機が激突し、その後、午前9時3分頃、南棟にも別の航空機が激突しました。繰り返してお伝えします。先ほど……」
持っていたバスタオルが床にバサッと落ちる音が遠くで聞こえ、膝がガクガクと震えながらテレビの前に崩れるように座り込んだ。
社内異動も例年通りで、このご時世からか、退職者が出た所属には補充は殆どされなかった。
採用の仕事をしていることもあって、その現状を目の当たりにして会社が本当に苦しい状況にあることをひしひしと感じていた。
去年、まだ会計に居た頃、高橋さんが取締役会で話していた内容を思い出す。きっと、もうあの頃から、否、それ以前から高橋さんは会社の危機を察知していたんだ。だから奇抜だと言われようとも、LCCのことも提案して……。その職務を遂行すべく、今、異国の地で邁進している。
『自分の今出来ることに最善を尽くせ』
私も頑張らないと。高橋さんと、約束したんだから。
シャワーを浴びて、髪の毛をバスタオルで乾かしながらテレビをつけると、画面いっぱいに今まで見たことのないような異様な光景が広がっていて映し出されていた。
「何、これ……」
映……画?
何か例えようのない違和感を覚えながら、リモコンでチャンネルの確認をしたが、国営放送のチャンネル数字が画面右上に表示された。
どういう……こと?
この景色。このビルは、まさか……。
テレビのスピーカーから聞こえて来る、耳を疑うような内容を読み上げるアナウンサーの声が耳を切り裂く。
「先ほど、現地時間の午前8時46分頃、ニューヨークのマンハッタンにある……ビルの北棟に航空機が激突し、その後、午前9時3分頃、南棟にも別の航空機が激突しました。繰り返してお伝えします。先ほど……」
持っていたバスタオルが床にバサッと落ちる音が遠くで聞こえ、膝がガクガクと震えながらテレビの前に崩れるように座り込んだ。

